中高生向けスキー地学実習2025
越後湯沢石打丸山スキー場
2025年3月23日(日)
冬のスキー地学実習参加募集中
未知の場所を探査するのは地学の重要な役割です。
道具を使うと、行動の可能性が広がります。
宇宙へ行くにはロケット、深海へ行くなら探査機、南極へ行くには砕氷船を使います。
冬山登山は高度な技術が必要ですが、スキーという道具を使うことで、普段の生活で気がつくことの難しい地形や自然現象をスキー場から観察することができます。
関東平野と日本有数の豪雪地帯である越後湯沢の間には、中央分水嶺を構成する標高1,963mの谷川岳が存在します。
谷川岳は太平洋プレートが北米プレートの下に沈み込み、日本列島を東から西に向かって圧縮することで隆起するとともに、今から500-600万年前の火山活動に伴い形成しました。谷川岳を含む谷川連邦は、地層の年代測定結果から、過去500万年程度の間に4~5,000m隆起して現在の姿になったとされています。
冬期は晴れの多い関東平野側から新幹線や車で谷川岳の下に通る長いトンネルを抜けると、目の前の景色が一気に雪国に変わります。それは、冬にユーラシア大陸から吹いてくる風が、日本海を渡る間に水分を多く含み、谷川岳にぶつかることで新潟県に大量の雪をもたらすためです。
川端康成の小説「雪国」の冒頭に書かれた、「国境の長いトンネルを抜けるとそこはもう雪国だった。」のモデルと言われる谷川岳を貫く清水トンネルは、日本における鉄道史の中でも建設までに長い時間がかかるとともに難工事であったことが知られています。同時に、清水トンネルの開通は、それまでの地方の産業を大きく変えました。
今回の実習では、越後湯沢を知ることで、プレートテクトニクス理論に基づいた日本列島の成り立ちとともに、気候の変化、明治から昭和にかけての日本の近代史など、地学をメインに関連分野について総合的に学びます。
実施概要
- 日 時:2025年3月23日(日)
- 場 所:新潟県南魚沼市石内丸山スキー場
- 対 象:小学校5年生〜高校3年生(小学生は保護者同伴必須、中学生以上は希望する保護者は同伴可能)
スキー靴が履けてボーゲンができること。未経験者は、実習までにスキースクールなどでボーゲンまでを練習してから参加してください - 今回はスキーのみ対象です。スノーボードは対象ではありませんので、ご注意ください。
- 人 数:20 名(保護者含む)
- 言 語:日本語。ただし、英語に関しては、テキスト、当日のレクチャーのサポートが可能
- 参加費:生徒 5,000円/人、保護者 12,000円/人(振り込み手数料は別です)
参加費用に含まれるもの:バス代、昼食代、リフト代、テキスト代、教材費用、保険代
参加費用に含まれないもの:スキー(靴、板、ストック)レンタル代 5,200円/人、スキー+ウェアレンタル代 8,700円/人、ヘルメットレンタル代 1,500円/人、自宅ー集合・解散場所間の交通費 - 募集期間:2025年1月1日(水)〜2月28日(金)(人数が定員になった時点で募集終了)
- お問い合わせ:geokatzclub[at]gmail.com
- 主催:日本地球科学普及教育協会(ジオ活クラブ)
- 協力:加速キッチン
- 後援: 日本地球惑星科学連合(JpGU)、公益財団法人科学技術広報財団、海の女性ネットワーク
- 備考:本実習は公益財団法人東京応化科学技術振興財団の助成金によって実施されます。
申し込みについて
- 基本は個人単位でお申し込みください。
- 兄弟、姉妹、保護者での参加を希望する場合は家族単位でお申し込みください。
- 兄弟、姉妹でのお申し込みの場合、小学生を含む場合は保護者も参加が必要です。
- お申込み後、申込者のご都合によってキャンセルされた場合、返金対応はいたしかねます。 あらかじめご了承ください。
- 実習時に撮影した写真や動画は、主催、共催、協力、後援機関のweb およびSNS 等に掲載させていただきますので事前にご了承ください。
申し込み時に必要な情報
- 参加生徒の情報:名前、学年、所属校、住所、メールアドレス
- 参加生徒保護者の情報:名前、メールアドレス、携帯電話番号(緊急連絡用)
- 保護者、兄弟姉妹参加の有無
- スキーレンタルの有無(有の場合、靴のサイズ)
- ウエアレンタルの有無(有の場合、身長)
参加費お支払い方法
- フォーム送信後に主催者が内容をチェックし、参加費合計額と精算方法について、問い合わせと同じアドレスのメール(geokatzclub[at]gmail.com)で返送しますので、メールの指示に従い14日以内にお支払いください。メールアドレスを受信した際はアドレスが正しいか念の為ご確認ください。
- 参加費のお支払い方法は銀行振込またはカード決済になります。申し込みフォーム記入時にどちらかを選択してください。
- 申し込み段階でのお支払いは参加費のみになります。お支払い手数料はご負担くださいますよう、よろしくお願いいたします。
手数料:
銀行振り込み: 各銀行で決められた金額
クレジットカード: 3.25%(Squareサービスを利用) - 申し込み時にスキーセット、ウェアレンタルをご希望された方については、申し込み時にサイズをあらかじめお知らせいただき、レンタル代金は実習当日現地で石打丸山リゾートセンターに直接お支払いいただきます。
- 参加費振込が完了したところで申し込み完了です。振込締め切りに遅れ、先に上限人数に達した場合、申し込み完了とはならずご参加いただけなくなりますので、ご注意ください。
講師
- 小俣 珠乃 日本地球科学教育普及協会代表理事。博士(地球化学、東北大学)。地学普及の活動を実施。日本地球惑星科学連合代議員、教育検討委員会委員。加速キッチンアドバイザー。
- 本多 牧生 博士(地球環境科学、北海道大学)。専門はマリンスノー"による海洋の二酸化炭素吸収能力の研究。スキーSAJ準指導員(1980-1990)、SAJテクニカルプライズ。
- ヴァグラロフ ボグダン ステファノフ ブルガリア出身。修士(the University of Architecture, Civil Engineering and Geodesy, Bulgaria.)深海底岩石の化学分析を行う。父がスキー教師だったことから幼少期よりスキーに親しむ。
- 熊谷 洸希 東京大学工学部3年。高校時代に宇宙線に興味を持ち、加速キッチンの行っている宇宙線探究活動に参加。現在は大学で航空宇宙工学の分野について学ぶとともに、加速キッチンではメンター活動を行っている。
当日のスケジュール
- 2025年3月23日(日)
- 9:20 集合(JR 高崎駅)
- 9:30~10:40 バス移動(関越トンネルの前後で太平洋気候から日本海気候への変化を体感)
- 10:40~11:40 石打丸山スキー場到着、スキー準備
- 11:40~12:30 スキー練習
- 12:30~13:15 昼食(海と山の旨みのカレーを食べながらプレートテクトニクスと気候が生み出す地域の食を経験)
- 13:15~14:00 地形、地形観察とプレートテクトニクス講義、雪の実験
- 14:00~15:00 スキーと地形観察
- 15:00~15:30 スキー終了作業
- 15:30 石打丸山スキー場出発
- 15:30~17:30 上越線の父岡村貢像・谷川岳トンネル郡慰霊碑見学、温泉水の実験、高崎へ移動
- 17:30 高崎駅にて解散
諸注意
- 本実習では谷川岳を挟んで太平洋気候と日本海気候の変化の観察を行うため、参加者は高崎駅で集合・解散が必須です。新潟県から参加する場合でも高崎駅集合・解散としてください。
- スキー場での実習は石打丸山スキー場管理区域内のみで実施します。
- ゴーグル、手袋などはご自身でご準備ください。